塗 師 の 仕 事
仏像仏具制作・補修
竹正では主に寺院用の仏像・仏具を手がけてきました。
仏具において主に関わる工程は「下地」と「漆塗」の工程です。
「下地」は、絵具の定着を促す彩色下地としての役割と、漆の塗りあがりを滑らかにするための素地を整えるための役割を担っています。との粉や胡粉などを膠(にかわ)や生漆などで溶いた下地を塗って乾燥させます。
「漆塗」の工程では刷毛・ヘラなど専用の道具を使います。扱いの難しい天然素材の本漆の乾燥は、湿度を管理できる「むろ」で行います。漆塗りには「立塗り」「摺り漆」「虫喰い塗り」などさまざまな塗りの手法があり、仏具の仕上がりに合わせて使い分けます。カシュー漆や吹付用の漆も用い、目的や用途によって材料や技法を使い分けています。
下地も漆塗りも仕上げの美しさに直結し、金箔や蒔絵など後ろの工程にも関わるため、常に緻密な仕事が求められます。
03下地工程
04漆塗工程
尾張仏具の歩みと今
尾張仏具は、現在の愛知県名古屋市橘町を中心に江戸時代初期から生産されてきた伝統工芸品で、良質な木曽の桧材を資源にしてきました。
江戸時代を通じて徳川御三家の筆頭、尾張徳川家による寺院の保護もあり、愛知県は現在でも全国一の寺院数と宗教法人数を誇る仏教の盛んなエリアです。
神社仏閣の建設に活躍した宮大工や寺大工などの高度な木材加工の技能をもつ者が多く住むようになりました。以来、尾張仏具以外にもからくり人形などにも生かされ、織機や自動車へと至る、さまざまな「ものづくり」の土壌を築くことになりました。
江戸時代初期から下級武士の内職であった飾屋職(かんざしや帯留めなどの金属加工)の技術を基盤に発展し、仏壇や仏具などが名古屋城下で生産されました。
明治期には高い品質と低廉な価格から名古屋仏壇とともに尾張仏具は近県から東京、京都、大阪へと広がり、全国的な人気となっていきます。昭和の時代には仏具の一大産地となり海外までその販路は拡大していき、仏事に用いるさまざまな仏具を作る生産地となりました。そうした発展の歴史の中で、生産過程をそれぞれの職人が分業し専門家となることで、質の高い仏具が生産されてきました。
しかし、バブル経済崩壊後の近年では、時代の流れによって寺院や仏具を取り巻く環境は悪化しています。生活様式の変化や景気の低迷、信仰心の低下や新興宗教の拡大などもあり、仏壇にかけるお金やお寺への寄進やお布施も減り、原材料の高騰や海外製造の増加、少子高齢化による職人の減少といったさまざまな課題を抱えています。
現在、時代の変化に対応した新たなかたちでそれぞれの職人が商品開発を行ったり、神社仏閣の新たな活用法の模索などを通じて、伝統技術を未来に残すための試行錯誤が続けられています。
建築・建材塗装
私たちの心を豊かにし、家族の歴史をつなげてきた仏壇・仏具。
塗師として、尾張仏具の伝統を守りながら、神社仏閣の塗装はもちろん、高級感のある仕上がりが必要な店舗什器、展示の塗装、建材や家具、インテリア雑貨などにもその精緻な技術を活かし、新たな魅力をお届けしています。次の世代へこの貴重な技をしっかりと受け継いでいくため、私たちは若い世代が職人の仕事に興味を持ち希望を抱ける環境を整えています。20年の歳月をかけ、一人前の職人へと成長していく彼らを全力でサポートしていきます。
そのために、私たちは塗師屋として漆の新しい可能性を見出し、伝統工芸の価値を現代のライフスタイルに合わせて拡張・再定義していきます。尾張仏具の伝統を守りながら、 漆を生かした新たな建築・デザインへの利用など、漆の新しい未来に一緒に挑戦していただくパートナーも募集しています。
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仏具・仏像の
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塗師の本分である仏像・仏具のことなら竹正にお任せ下さい。出張での寺院や仏閣の漆塗装もご対応可能です。各種御相談・お見積のご依頼などお待ちしております。
よろず塗り替え・
建築建材の塗装
漆塗装の専門家として、カシュー・本漆でなんでも塗ります。ガラスや金属など(ほぼ)あらゆるものへの塗装が可能です。御相談・サンプルの作成などお気軽にご相談ください。